眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

合格祈願

 和歌山の南の方まで高速が延びたと聞いたので、ドライブがてら熊野那智大社青岸渡寺に詣でてきた。那智の滝を拝み、神様と仏様に手を合わせて一通りの参拝を済ました後、境内にくすのきの根のすき間を通って護摩木を納めると願いがかなうという胎内くぐり成るものが目に付いた。大人一人がなんとか通れるようなすきまに子供たち、興味津々。300円納めて、やることになりました。

 書き方の見本にはいろんな願いがあったが、子供たちの願いとなれば、無病息災も商売繁盛も家内安全も今一つピンとこない様子。中一の姉は、5年後の大学入試合格を今から祈って、合格祈願と書いて、書き始めた。ちっちゃく「東大に受かりますように」と書いてあるのは、自信のなさなのか、謙虚さなんかは知らんけど…。

 中学受験撤退を宣言した息子。まだ、塾には籍もあるし、「もしかしたら受けるかもしれんし」などといいながら、姉と同じく合格祈願にした。

 大きく「合格キガン」と護摩木に書いた息子。それを見た母親が怒気を含んでポツリ。

「あんた、キガンのガン間違ってる。見本よく見なさいよ」

そう、キガンの願。ヘンが原なのに、けったいな字書いてるよ。

 結局、間違った字に大きく×して、「願」と書き直した息子。胸張って、樟をくぐり、護摩木を奉納してきました。

 息子、神頼みも満足にできないのか…。そりゃ、受験どころの話ではないわなあ。