眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

田舎の教育

 誤って、「三者面談にて」という日記を削除してしまったので、そのネタを再度書き直します。

 うちの県の中学進学事情を見ると、ほとんどの受験生が県内にある私立3校を目指す。結果、松竹梅みたいなランク分けになる。四谷大塚の80%偏差値で見ると、松で58、竹で49、梅で42ぐらいになるらしい。同じ表で見る限り、灘は74、東大寺は67、西大和が63ぐらいになる。こんなところ、仮に受かっても通えません。不可能ではないが、一日の通学に5時間近くかかるとなれば、二の足を踏むのは当然でしょう。あの浜学園でも、地元の教室は松竹梅仕様にしないと商売にならないとウワサされるほど、特殊なところです。

 よって、塾でも小学校でも、全国的に見れば上はずいぶんあるのに、「松」に入れば天才扱いです。語弊を恐れずにいえば、うちの娘はそんな感じでした。懇談会に臨んでも、「よくできてます」で終わり。「とてつもなく勉強しないんですけど…」と、こちらが相談しても「まあ、点数が取れてるからいいんじゃないでしょうか?」で片づけられました。

 その娘、中学でも成績の方はまずまず上位の方らしく、仮に高3のこの時期にこの順位でいれたら、「東大、京大いくで」と宣言されても私も前みたいに笑えません。でも、勉強時間は圧倒的に少ない。今後、彼女の理解能力を超えたとき、克服するための勉強をする癖というか、頑張れる習慣とかがない分、坂から転がり落ちる可能性が高いというのが、小学校時代からの親の心配の種でした。そして、これまでその心配に応えてくれる先生はいませんでした。

 先日、娘のガッコで三者面談がありました。出席した妻によると、始まりはいつもと同じ。先生もシャンシャンと終わらせるつもりだったんでしょう。そこへ、妻が「勉強しないんです」と言った時から、先生、熱弁をふるいだす。まず、娘に「君は、これまで親からもらった遺伝子だけで勝負してきたんだ。そこに君の力はほとんどない」と、一喝。これから必ず行き詰るときがくること、そしてそれを克服するには勉強するしかないことなどをこんこんと説き、具体的な勉強方法まで指導してくれた。そして最後に

「君にはまだわからんだろうが、大人になったら答えのない問題を解かなくてはならない時があるんだ。その答えを出すために勉強するんだよ」。

 うーん、カッコイイ!!

 うちの嫁曰く、「あれでルックス佐藤浩市やったら、私惚れてしまうわ」。残念ながら先生の風貌は芋洗坂係長を凛々しくしたような感じ。

 いや、それはおくとして、このガッコの先生全てがそうなのか、当たりを引いたのかはまだわかりませんが、2期分の授業料払うだけの価値はあったと思いました。