眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

入試に行ってきました

 21日、うちの県の県立中すべてで学力試験が行われました。前日、学校の隣のクラスがインフルエンザで学級閉鎖となるハプニングもありましたが、健康そのもので受験に臨めました。当日は、学校付近が駐停車禁止のため、少々離れたところで降りてから歩かなければならなかった。そこで、OBでもある私に付き添いのお鉢が回ってきた。

 正門前には、少数ながら塾の先生たちの激励があった。やっぱ最大手、そろいのジャンパー姿の先生の数、多いわ。でも、禁止されているからなのかのぼりもなく、中学入試会場初体験の私としては少々期待外れ。和やかな雰囲気が流れてた。正門をくぐると、息子、塾の先生に声をかけられてた。「ええ感じに緊張した顔になってるね」といわれ、健闘を誓う。さて、反対側には、以前に通っていた塾の先生方。合わせてくれたのか、たまたまなのかはしらないが、そこの塾講師でもある叔父の姿もあった。「帰ったらお父さんに問題を教えてあげなあかんから、しっかり覚えられるように読んでから解くんやで」とアドバイスをもらう。親としては少々、気まずい感じはあったが、二つの塾から激励された受験生なんて、息子ぐらいだろうと気分をよくする。

 控室の食堂に入り、受け付け開始時間を待つ。久方ぶりの母校に私のほうが興奮気味。緊張をほぐす意味もあって「あんかけうどん、うまそうやな」とか「昔は、ここの自販機、全部、ポカリとアクエリアスやってん」と下らん話をして過ごす。と、その時、何気に「お前、時計は?」と尋ねた。

「あっ」という息子。模試のときも使ってきた懐中時計を忘れてた。いいわけかなんか知らんが「まあ、試験官によっては、時計を机に置いたらあかんっていう人いるらしい。お父さんの貸して」という。そんなん初耳、こちらのほうが焦ったが、本人は私が時計をしていたことで事なきを得た、と平静を取り戻した。試験後聞いた話では、息子の教室の試験官は、机に時計禁止だったらしい。結果オーライだが、ぶかぶかでも腕に時計をできたので、この辺もラッキーだったのかもしれん。

 受付が始まり、控室から人が出ていく。息子もはやる気持ちを抑えられない感じだったが、「まあ、待て。早く行って、静かな中で賢い子眺めてたら緊張すんで。ちょっとでもにぎやかなところにいたほうがお前、楽やろ?」というと、「せやな」と素直に納得。窓の外からみえる列が終わりに近づくころ、最後列に並び、「残り物に福があるっていうねん」と、一番最後に受付させて、試験に臨ませた。

 約3時間、息子がどんなだったかは知る由もない。

 終了予定の少々前、息子、一番に出てきた。おそらく受験会場にいた時間、一番短い。いやあ、何でも一番はよろしい。さて、開口一番、ストレートに聞く。

「できたん?」

息子「うーん、算数一問てこずったけど、まあできた」

 試験が終わったからの開放感だけなのか、張りのある声で答えた息子。もともと自信過剰、楽天的だ。どこまで、信じていいのか、我が息子ながら判断がつかないが、この際、信じるしかない。

 小さなラッキーを探し続けた1日でしたが、結構な数になりました。全く根拠はありませんが、受かってる気がします。いや、思いたい。思おうと思う…。