眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

初居残り

 終業式が終わり、本格的な塾の春期講習が始まりました。昨日がその初日。私が帰宅したところ、まだ息子の姿がなく、妻は帰ってきたらすぐに夕食にできるよう準備をしていた。

 そこに一本の電話。

「作文を時間内にかけなかったので、少々、遅くなります」と塾からのお知らせだった。

 通算4回目、本格的春季講習初日で、初の居残り。こちらとしては、ただでさえ、ほかの子に遅れを取っているのは確かだろうが、そんなに差があるか? と、気分が沈みました。

 

 そして、定刻より三十分ほど遅くなって、息子帰宅。居残りに至った経緯を聞いてみました。

 息子曰く、「制限時間にあせった」という。確かに腕試しに作文を家で書かせたけれども、まだ時間までは設定していない。塾では当然、入試を見越したカリキュラムだろうから、作文といえども時間設定するのは当然かもしれない。

 が、話を聞いているうちに、そうではないことが分かってきた。その日の作文のテーマは、これまでに一番心に残ったこと。というもの。入試本番と違って、とっつきやすい。まだ、このレベルなのかと少々安心する。そこで、息子が選んだ出来事は幼稚園の卒園式での出来事だったらしい。

 息子の卒園式の時、園長が式辞でウォルトディズニーの生涯を題材に話した。話は佳境に入り、ついにディズニーの名言を引いて話を閉めようとしたとき、園長が言った言葉は、「ええ、その時、ウォルトディズニーは言ったんですよ。ええと、うーんと、え、なんだっけ? 忘れちゃった」。子供ながらに、どえらいことをやらかしたというのが分かったんだろう。そのことを書いたらしい。

 こやつ、うまく作文を書こうとかいう気持ちよりも、ウケねらおうという気持ちが強すぎて、時間が足りなかった模様。しかも、これをどういう風に結べば、先生に怒られないで済むかを考えるのに時間がかかったみたい。結局、偉い人でも間違いはあるってことを学んだみたいなくくりにしたらしいが…。

 まあ、これを面白いと思ってくれるか、不謹慎だと思われるかは、微妙な判断。どう指導すべきか、悩むところです。