眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

きょうだい愛

 地頭。中学受験のブログなんかをみていると、この言葉がよく出てくる。漢字を1回書けば覚える子もいるし、10回書いてやっと覚える子もいる。それが、地頭云々ということだと理解している。どんなやり方で覚えたとしても、試験に出ればどちらも○。しかし、地頭が良くてもその漢字に触れないことには覚えることはない。中学受験なんて、地頭だけで乗り切れるわけでなし、そこにプラス努力は必ず必要だ。100点満点中、地頭のよさを占める率はそれなりにあるだろうが、その差は努力である程度埋まる。まして、うちの県の中学入試なら、地頭10でも90の努力で乗り切れるのではないか、とさえ思っている。

 息子の中学受験撤退を受け、一番気にしていたのは2つ上の娘だった。先日も、なぜ中学を受けなくてはならないか、今、行ってる中学のどこがいいか等々、こんこんと弟に説いていた。息子もそれなりに納得し、「お姉ちゃんもいろいろ教えてくれるし、やっぱり受験しようかな?」と言い出す始末。しかも、姉は「私もちゃんと宿題みてあげるし、受けたらええんちゃうん?」という。美しき、きょうだい愛、それなら…。

 とは、言えない。

 娘は今春、中学受験を乗り切り、それなりに中学校でもやっている。が、そこに努力の占める割合は非常に低い。ほとんど、地頭の良さだけで乗り切った。地頭90、努力10って感じか? 

 自分の子供をそう評価するのはいけないのかもしれんが、地頭勝負になると、息子の方は分が悪い。息子の地頭が80だったとしても、努力は姉の倍しなければならない。半分だったら、5倍ぐらいの努力が必要だ。さて、それだけの努力が弟にできるかどうか? 姉の合格体験など、弟には何の役にも立たないのだ。今問題にしているのはそこ。このきょうだい、そこが分かってない。

 私は息子に言った。
「まあ、あと半月塾行くんやから、しばらく考えな。でも、塾に行くんやったら、泣かすほど勉強させんで。それでないと、間に合わんからな」。

 「考えておく」といいながら、自室に向かった息子。翌朝、何事もなかったかのようにスマホでゲームしていたところをみると、姉の思いも届かんかもしれんな。

 まあ、親としてはええもんみせてもらったとは思うけど…。