眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

これから

 中学受験撤退表明から一夜明けた。息子は何もなかったかかのように、空手の練習に行き、母親の目を盗んでスマホで動画鑑賞していた。月末まで行くという塾の宿題はほったらかしだった。

 

 5年生ということもあるが、これまで全部落ちたときのことを真剣に考えたことがなかった。図らずして、結果的に同じ境遇に立たされた今、いろいろ考えてみた。

 私達が住む街は、小なりといえども県庁所在地だから、病院、文化施設、体育施設…社会的なものは一通りそろっている。しかも、交通の便が悪いから、すべてを市内で済まそうという考えはあるなあ。学校にしても同じ。県内というより、市内の学校に行くのが当然という雰囲気は感じる。

 さて、息子の歩むべき道はどこにあるのか? 志望校だったA高にも高校でチャレンジはできる。が、ここは編入という形で、中高一貫コースの中に強引に割り込んでいかなければならない。入学時点で中高一貫コースは高1ぐらいの内容は終わっている。これに2年かけて追いつき、3年で同じように受験勉強というのが編入コースだ。書けばこれだけだが、高校内容をたった2年でやり抜くのでも大変なのに、3年になれば、東大理3あたりを意識する子たちとも争わなければならない。正直、大変な作業である。ほかの2私学は、完全に中高一貫とは別。高校のサッカーとバレーでは全国大会に出る両校だが、中学のサッカー部やバレー部は市内大会すら勝ち上がれない。つまり、進学校としての実績は中高一貫、スポーツは高入り、後の皆さん、お客さんという具合だ。

 一方、公立。公立改革の流れを受けて、うちの市の進学校とされる高校2校は、すべて中学併設。といっても、中学時代は文部科学省のいうとおりの内容までしかやらないから、高校からでも進度的には差がない。しかし、高校の定員は、ほかと同じ300程度でも、すでにそのうちの80の枠が埋まっている状態だ。私達の時代は学区があって、市内在住者しか行けなかったが、今は全県から通学可能。高校ぐらいになると、結構な時間かけて通う子も多いという。つまり、よその市からの秀才君たちも大挙してくる。その結果、市内在住者の一部は市外の学校を選ばなければ、席がないのだ。若いころに「都落ち」するのは、結構きついと思うがなあ、これが現実。

 こう考えてみると、大学を意識するのであれば、中学受験して6年間の切符を手にしておくのが一番オトクなんだがなあ。

 算数の成績が上がる、上がらんというてた方がよっぽど楽だわ。