眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

デッドライン

 あれは4年前のちょうど今頃の話だったか。嫁の友人の娘さんが、小5の秋にして中学受験を決めた。たまたま訪れた某私立中の文化祭なんかを見学して、ますますやる気になった娘さん。当時、私の妹が塾に勤めていたこともあって、うちの娘が通う塾を紹介した。まあ、そのころからなら大手の塾には入れないということもあったし、テキストや雰囲気などが元塾講師の奥さんの御めがねにかなったらしく、とんとん拍子で入塾という運びになるかと思われた。

 が、入塾テストの結果は、明らかに悪かったらしい。一通りを経験した今だからわかるが、その時期なら受験に出る単元はほぼ終えており、普通の小5では太刀打ちできまい。塾幹部の先生に「今からでは△△をうちで目指すのは無理です。ほかの塾を紹介しますから、そちらで相談しては?」と冷たく言い放たれたらしい。「県内2番手校でも、もう無理」という現実を突き付けられたが、そこを頼み込んでなんとか入塾できた。

 それから1年。想像を絶する母子の二人三脚で、娘さんは、塾で常時3本の指に入る成績を残す。2番手校はもとより、トップ校でも最上位で入れただろう。結果、初志貫徹で、2番手校に首席入学。塾のチラシに合格体験記を書き、その軌跡は塾の伝説にもなった。

 さあ、間もなく、娘さんが「無理」といわれたデッドラインを迎える息子。確かに入ったのは、6か月前だけど、その貯金ってあるかどうか疑わしい。さすがにこちらも焦ってきた。親子ともども伝説級の受験対応はできそうにないし、間に合うのか、合わないのか、そろそろ判断してやるべき時期かもしれないと思っている。