眠り姫とゲーム狂の受験日記

小学校の卒業文集に「東大、京大に入る」と書いた娘と、それを鼻で笑った父親の大学入試までの日記。それにつられて、「俺も京大」と言い放った弟の入試も添えて…

 神戸東灘区にあるあん食パンのお店を訪ねた。先日、地元のスーパーで一日限定販売されたのだが、開店10分で売り切れ。悔しい思いをした妻がリベンジを誓って、本店へ行くと言い出したのだ。目当てのパン屋を探し、灘五郷と呼ばれる酒蔵街をドライブしたり、地酒っぽい小さな酒蔵を見てみたり、灘を満喫した。

 ふと、思い出す。「東灘区っていうし、灘中ってやっぱりこの辺?」

 関西一の進学校であるのはもちろん、一説によると、全国一賢い学校ともいわれる灘中・高。立地的にウチからは通えないし、第一、息子の偏差値がここまで足りることはまずないだろう。受験する気も全くないけれど、一度ぐらいはみてみたい気がする。

 春、息子と同い年(小5)の義兄の長男君が、灘中・高の文化祭に行った。あちらさんなら、立地的にはぎりぎり通えるんだろうか? 成績の方はどんなもんかはしらないが、文化祭に行くっていうだけで、こちらとしては、結構なプレッシャー。うちは、何が何でも中学受験とも思っていないが、それでも灘を視野に入れてると思うと、「それに比べてうちの息子は…」と思ってしまう。別に東大寺とか、ほかの学校なら思わんかもしれんけどなあ。関西の片隅在住でも灘は別格なんだと、改めて思った。

 その時、灘校内新聞みたいなのを土産にくれた。その中に「釜ヶ崎合宿」の記事があった。日本で一番かしこい学校の生徒が、日本一の日雇い労働者の街に行って、炊き出しを体験したりする。おもろい。モンスターペアレント云々が言われる昨今、灘中ぐらいしか親の反対を抑え込める学校ってないんかもしれん。それが実現できる灘の自由な校風と、その親にこびない態度、なかなか感銘を受けました。ほんま、家が近ければ「絶対灘行け」と息子に厳命するわ(脳みその問題はさておき…)。灘中生諸君、君たちがいる限り、日本の将来は安心だよ…。

 ナビをセットすると、灘中まで1・2キロ、約5分。ぶらーっと、行ってみた。思いのほかこじんまりした印象。マンションの谷間にひっそりと建つ校舎群。中一娘は、「へえ、ここが灘か」と少々関心を示したが、肝心の息子、DSのマリオにくぎ付け。母親が「ここが灘やで。頑張ってここに来れるぐらい勉強しなさいよ」と声掛けすると、一瞬窓の外に目をやり「ふうん」と生返事。そして、また、マリオの世界に…。

まあ、こんなもんよね。